のれん打ち

金指原の家の工事も仕上げの最終段階に入ってきました。
左官工事の中塗りが始まるので、”ちり廻り”の処理として、”のれん打ち”を行いました。


”のれん”とは、こんなもの。
竹の棒に麻布が貼り付けてあって、釘が等間隔に打ってあります。
これを、柱や梁に打ち付けていきます。
金指原の家では、柱には、あらかじめ”ちりじゃくり”がしてありますが、そのほかの”ちりじゃくり”の処理がしてないところに、この”のれん”を打ち付けていきます。
ちり廻りの処理には、このほかに”ひげこ”というものを打つこともあります。

さて、なぜ”ちり廻り”の処理をするかというと、土壁は塗り時には水で捏ねたものを塗りますので、その乾燥とともに縮んでいきます。壁の土が縮んでいくと、柱や梁などとの間に隙間ができますので(よく、壁の隙間から隣の部屋が見えるなんていいますよね)、その防止のためにちり廻りの処理が必要になってきます。
”ちりじゃくり”は、あらかじめ柱や梁に溝をつくっておき土を余分に塗ることで収縮による隙間を防止する方法で、”のれん”や”ひげこ”は、土が収縮する力に対して、のれんやひげこが引張って隙間ができることを防止する方法といったところでしょうか。


こんな感じで、梁に打ち付けていきます。

この”のれん”ですが、20cm程度の竹に2cm間隔くらいで短い釘が打ちつけてあります。
それを全部梁に対して打ちつけていくのですが、実際にやってみると、ものすごい数の釘を打ちます。
おまけに、上向き作業がほとんどになってきますので、結構しんどいです。
翌日には筋肉痛でした。

ミルクペイント

木部の木口の保護をしておいたほうがいいということで・・・。
梁の木口だと、銅板でカバーしてあるものなどを良く見かけます。
また、白いものを塗ってあるものなんかも、よく見かけます。
銅板でカバーをつくる予算などとても無いので、「白いのを塗ろう」ということになったのですが、この白いもの現場で聞いてもなかなか正体がはっきりしません。
(実際に現場で塗っているものはペンキがほとんどだということ。)

ネットで調べたり、職人さんつながりで調べてもらったところ。
?胡粉という、貝殻を砕いたのもを塗る。
?和紙を貼る。
というのが、伝統的な処理のようです。

で・・・、結局、今回はそこまでしなくていいのではないかということで、たまたま東急ハンズで見つけてきた「ミルクペイント」というのを塗ることにしました。


アメリカ開拓時代から引き継がれているものだそうで、主原料は”ミルク”。100%天然素材とのことです。


蓋を開けると・・・。
まあ、普通の水性塗料です。
今回、真っ白じゃないほうがいいのではないかと思い、いかにもミルクっぽい色ですが、白や他の色もありました。


こんな感じで塗りましたが、イマイチ解りづらいです・・・。

シナ合板オイル拭き

天井のシナ合板。
張ってしまったあとでは、塗装が大変なので、張る前に床で塗ることにしています。

塗装に使うオイル(もちろん天然油)ですが、高級なものだと結構値が張るものもありますが、「油なら何でもいい」なんて話も聞きますので、今回はこのオイル。

日清サラダ油を使ってみることにしました。
とりあえず、天然成分100%で、余分なものが添加されて無いということで。
成分は、菜種油と大豆油だそうです。


タオルなどの布に染み込ませて、あとはひたすら拭くだけです。
1回塗りだと塗りムラがあるので、2回塗りしました。


この作業、建築では「オイルフィニッシュ」と誤用されていることが多いのですが、プロダクトデザインや家具にかかわっている方ならご存知のように本来の「オイルフィニッシュ」は全然別の仕様。工程の数も作業の内容も格段に違います。あらぬ誤解を避けるためにも、あえて「オイル拭き」とか「○○油塗り」とかの表現を使うようにしています。

この「オイル拭き」。サラダ油は、初めての挑戦ですが、経過を見守りたいと思います。