土漆喰・・・なのか?

「金指原の家」のポーチ部分の土壁の仕上げ(上塗り)をどうしようか、ずっと考えているのですが・・・。

そういえば、何かの本で土漆喰というのを読んだことがあることを思い出しまして。漆喰に土を混ぜると、漆喰壁と土壁の中間みたいな雰囲気になるとかで(確かそんなことが書いてあったようなという記憶なのですが・・・)。

そこで、先日土間タタキに使ったサバ土が残っていたので、試し塗りにチャレンジしてみました。


調合済みの石灰に、土を投入


空練すると、何事も無かったかのように真っ白に・・・。


水を入れて練ったら、茶色に。
チョコレートケーキでもつくるみたいです。


試し塗り完了。
右が仕上ゴテで押さえたもの。左は金ゴテでコテムラ風に(僕らがいくらきれいに仕上げようとしてもコテムラなのですが・・・)押さえたもの。

土をふるいにかけたりしていないので、塗るときにざらざら感があります。大き目の砂なんかも入っているので、漆喰に比べると、いきおい厚塗りになります。
なんとなく、コテムラ風のほうがいい感じに思えます。
土の色が、少し赤すぎる感じなので、顔料を入れて色を調整するほうがいいのかもしれません。
個人的には、中塗りの状態が気に入っているのですが、雨風が当たるところなので、いつまでもそのままというわけには行きません。

最終は、土だけでなく、藁すさを入れて塗ろうと考えています・・・。
いい感じに仕上るといいな。

土間タタキWS

「金指原の家」で、土間タタキWSを開催しました。

タタキは、土(真砂土やサバ土)と消石灰、苦汁(塩化マグネシウム)と水を混ぜ合わせたものを、ひたすら叩いて硬くする舗装で、コンクリートなどがなかった時代の、土間の代表的な床仕上げです。
今回は、その土間タタキに挑戦です。


土(サバ土)と消石灰、塩化マグネシウムを空練り(水を混ぜずに良く混ぜ合わせること)します。

配合は、決まったものが無く、いわば、経験とカンみたいなものみたいです。今回は、とある本に書いてあった、土1立米に対し消石灰160kg、塩化マグネシウム10kgの配合としました(だいたいですが・・・)。
水は、コンクリートみたいにシャビシャビにしないで、湿る程度、握ったら”土だんご”がつくれるくらいでいいようです(くれぐれも泥団子にならないように)。


土を運んで均したら、あとはひたすら叩きます。

飽き性でない人なら、誰でも出来ます。
このときに、土の水分が多すぎると、たたき棒に土がくっついて、たたくどころではありません。
仕上がりに影響しますので、要注意です。
あと、左官仕上げに共通していえることなのでしょうが、材料の硬軟が施工のしやすさに影響してきます。素人が施工する場合特に、直射日光が当たる場所なんかは水の蒸発が早く手のつけられない状態になってしまうことがあるので、施工時間や現場のコンディションにも注意しましょう。


完成。

遠目に見ると、きれいです。

腰張和紙

金指原の家は、ほとんどの壁が土壁なので、巾木の無い畳の部屋は腰張りの和紙を張ろうということになりました。

と、思っていた矢先。
お施主さん宅に預けておいた和紙一式が紛失。。

うかつでした。
引越し荷物でごった返している家に、資材を預けておくべきではありませんでした。

仕方がないので、急遽、納戸だけ書道用の半紙を張ることに。


腰張りの和紙は、接着力の弱い「ふのり」を使います。
これも”紙の温度”で購入しました。
海草の一種で、板海苔みたいな状態で固められて売っています。
それを、一晩水に浸しておいて、翌朝火にかけて煮詰めます。
蜂蜜状になるまで、コトコト煮詰めて不純物を取り除いて、のりとして使います。
で、一晩水に浸した状態がコレ。


さすが、粘着力が弱いというだけあって、要領が悪いとすぐにはがれてきます。
2~3枚張るうちに、だんだんうまくなってきました。
ちなみに、紙は左から順に右側を上にして張っていくそうです。

最後のあたりで、のりが足りなくなってきて、はがれてきてしまったところが出来てしまいました。
次に、のりをつくったときに、忘れずに補修しなければいけません。