のれん打ち

金指原の家の工事も仕上げの最終段階に入ってきました。
左官工事の中塗りが始まるので、”ちり廻り”の処理として、”のれん打ち”を行いました。


”のれん”とは、こんなもの。
竹の棒に麻布が貼り付けてあって、釘が等間隔に打ってあります。
これを、柱や梁に打ち付けていきます。
金指原の家では、柱には、あらかじめ”ちりじゃくり”がしてありますが、そのほかの”ちりじゃくり”の処理がしてないところに、この”のれん”を打ち付けていきます。
ちり廻りの処理には、このほかに”ひげこ”というものを打つこともあります。

さて、なぜ”ちり廻り”の処理をするかというと、土壁は塗り時には水で捏ねたものを塗りますので、その乾燥とともに縮んでいきます。壁の土が縮んでいくと、柱や梁などとの間に隙間ができますので(よく、壁の隙間から隣の部屋が見えるなんていいますよね)、その防止のためにちり廻りの処理が必要になってきます。
”ちりじゃくり”は、あらかじめ柱や梁に溝をつくっておき土を余分に塗ることで収縮による隙間を防止する方法で、”のれん”や”ひげこ”は、土が収縮する力に対して、のれんやひげこが引張って隙間ができることを防止する方法といったところでしょうか。


こんな感じで、梁に打ち付けていきます。

この”のれん”ですが、20cm程度の竹に2cm間隔くらいで短い釘が打ちつけてあります。
それを全部梁に対して打ちつけていくのですが、実際にやってみると、ものすごい数の釘を打ちます。
おまけに、上向き作業がほとんどになってきますので、結構しんどいです。
翌日には筋肉痛でした。

外部の中塗りが完了 ~金指原の家~

外部の板張り下地に「中塗り」という表現もおかしいのですが、金指原の家では、告示1100号の土壁(両面中塗り、壁厚70mm以上)を採用しているので、通常は荒壁で終了してしまう”外壁外部側の板張り仕上面”にも中塗り土を塗らないといけません。

ということで、外壁外部側の中塗りを、農機具小屋の中塗りWSと同じ日に左官屋さんに入ってもらいました。


ミキサー。
こんなので、混ぜていきます。
荒壁土が残っていたことと、外壁の外部側は、仕上がりはあまり関係無いので、強度重視で、農機具小屋の調合とは少し違う調合としました。


職人さん5人で塗っていきます。
今回も、さすがに早いです。


一日で作業終了。

また、養生に入ります。

中塗りWS ~金指原の家~

「金指原の家」の、農機具小屋の中塗りワークショップを行いました。


最初に「貫伏せ」を行います。貫と荒壁の継ぎ目にひび割れが入ってこないように、寒冷紗などで補強をします。農機具小屋には、市販されている貫伏せ用のシートを使用しました。貫の部分に土をつけて、シートを張り付け、コテでおさえると固定されます。


中塗り用の土



もみすさ


これらの材料を順番に投入して水と一緒に混ぜ合わせます。左官屋さんが、電動の攪拌機(パワーミックスと書いてありました)を貸してくれました。


内部が完了。
写真だと、きれいに写るものです。


農機具小屋の内部は中塗りで仕上げてしまうので、記念に参加者の手形を。
外部も塗ってしまいたかったのですが、タイムオーバー。

5月3日からの連休で、外部の中塗りを仕上げようと思います。