ウッドロング・エコ

木部の保護塗装に「ウッドロング・エコ」というものを使ってみました。


こんな袋に入ってます。

今回使ったのは、2階の軒裏と梁の外部に出ている部分。
外部の木部の塗装をどうするか?
実は、いつも迷います。
特に、足場を組まないと再塗装ができないところは、塗るべきなのか?塗らざるべきなのか?
浸透性のものも、塗膜をつくるものも、一般的には推奨される塗り替え頻度は3年以内程度。
なかなか、そのような頻度で塗り替えることないですよね。
そこで、何も塗らずに経年劣化に任せるか?
これも、なかなか勇気がいります。
”きれいに、経年劣化していく塗料があれば、是非それを塗っておきたい。”なんて考えてしまうのです。

で、このウッドロングエコ。
1回塗りでOKという手軽さ。
スウェーデンでは、60年塗り替え無しの実績ありという優れもの。(ただ、新築時の外観を維持してというのとは、ちょっと違うようですが・・・。また、日本の用は高温多湿の地域では、木材の腐朽サイクルは速い傾向にあるので、そうはいかないと思うところもあります。)

原材料は、ハーブ・樹皮・鉱物などの完全天然素材でつくられているとメーカーは申しております。(特許を取得せずに、製法を公開していないということで、詳しいことは企業秘密だそうで、本当に原材料がそのとおりなのかは図りかねますが・・・。とりあえず、このような”安全データシート”なるものが添付されているので、信用するしかないか・・・。)


外袋を開けると、こんな状態で内袋に入っています。
これで20g。
3.8リットルの水で溶かして、14~18?塗れるとのことです。(鉋がけした針葉樹は、もっと伸びがいいみたいです。)


バケツに溶かすと、こんな感じ。
ハーブのいい香りが漂ってきます。
木のくずみたいのが入っている必要があるのかどうかは、疑問ですが・・・。


塗ると、緑色がかった色になります。
左側が塗装前、右側が塗装後。
杉に塗った場合、白太の部分は薄緑色、赤味の部分は濃いグレーのような色になる傾向が強いようです。
吸い込みやすい部分と、吸い込みにくい部分で、かなり色の違いがありますが。


完了。

このあと、1週間程度、風雨や太陽光線にさらされると。銀白色に変色していくそうです。 ←銀白色になるのはヒノキなどの場合のようです。針葉樹でも杉の場合は茶色に変色して、経年劣化で茶系が明るくなっていくという感じでしょうか。木に含まれる成分や、吸い込みの度合いによって色目がかなり違ってくるようなので、試し塗りをして確認することをお勧めします。


白銀色に変色していくというと、木材が自然に経年変化していくイメージでしょうか。
いろいろな情報を見てみると、ウッドロングエコを塗ることによって、1年後とか数年後、木材をきれいに経年劣化した状態にしてしまって、その後は、ゆっくりと経年劣化していくというイメージに感じます。
このウッドロングエコ、メーカーの説明では木材保護塗料ということですが、イメージ的には防腐剤といったほうが解りやすいのかもしれません。
腐朽菌に対して威力を発揮し、木材を保護してくれるそうです。
ただ、防腐剤とはメカニズムが違い、”木材の表面を酸化させて腐朽菌の侵入を防ぐ”ということで、防腐剤の薬品としての有効期限が過ぎたら無防備になってしまうという性格のものでもないようです。

白木に塗った場合、せっかくの白木がある程度劣化した時点の姿になってしまうので、白木信仰の大きい日本人にはもったいないと感じるかもしれません。
そういう場合は、白木用の塗料のほうがむいているのかも。
今回、ひば油とか亜麻仁油を塗るか、このウッドロングエコを塗るか、最後まで迷いましたが、コストパフォーマンスにも優れているということもあり、ウッドロングエコを試してみました。(もちろん、試し塗りして、建築主さまの了解を得て塗りましたよ。)
説明を見る限りでは、木部用塗料として僕の求める考えに、一番近いような気がしていますので、今後どのような経過をたどっていくか観察していきたいと思っています。

“ウッドロング・エコ” への2件の返信

  1. こんばんは、北海道江別市に住む山塙(やまはな)と申します。
    ウッドロングエコを塗った木材で3年前にウッドデッキを作りました。
    若干ひび割れなども見えてきたため、メンテナンスが必要かと思っています。
    ウッドロングエコを塗った木材のメンテはどうすればいいのでしょうか?
    サイトを見ても、半永久的でメンテの必要がないとか、具体的なモノが見あたりません。
    水性の防腐剤を駆けようかとも思っているのですが、アドバイスいただければ幸いです。

    1. 山塙さま
      お返事遅くなりまして申し訳ありません。
      管理ページにログインできない状態になっており対処しておりました(汗
      もう遅いかもしれませんが・・・

      一般的に塗料には、下に塗ったものの上に塗り重ねるときの相性があります。
      多少相性が悪いという程度のものから全くダメというものまであります。
      材料どうしの相性が悪いというもの、塗り重ねるとはがれてくるといった類、塗り重ねてしまうともとの仕上がりの状態には戻せないといった類など様々です。
      ウッドロングエコは特殊な塗料(塗料というか木材の保護材の分野になるかと思います)ですので、基本的には同じものを塗り直すといったスタンスのほうがいいように思います。原材料などもオープンにされていないかと思いますので、何とも判断しにくい部分があります。
      個人的な印象では、何らかの化学変化で白木の表面(内部も)を強化して腐食のスピードを遅くするといった印象で、基本的な考え方は白木でつくったものの経年変化と同じと考えて良いのかと思います。

      もうお調べかと思いますが国内代理店のQ&Aです→http://woodlong.com/wl-web/faq3.htm
      とりあえず確実に解っていることは、塗り重ねた場合元の状態には戻せない。不透明系の塗料を塗った場合木目は無くなってしまう、透明系の塗料を塗った場合は発色が違ったものになってくる覚悟が必要。というあたりかと思われます。
      ひび割れというお話ですが、ウッドロングエコの性質上、木材のある程度まで浸透しているはずですので防腐といった観点上からはあまり気にしなくてもいい気はします。足触りが悪いとか、肌に刺さるとかいうレベルですと何とかしないといけないと思いますが、個人的には塗膜を形成する塗料を塗るとメンテナンスサイクルが短くなる傾向があると感じていますので、サンダー掛け等をしてウッドロングエコを塗り直す方がこの先のメンテナンスサイクルは長いのではないかと思います。
      また、ウッドロングエコと樹種の相性や、設置場所の条件で最適な対処方法も変わってくるかと思います。

      あまり、明快なお返事が出来なくて申し訳ありませんが、メーカーの姿勢がウッドロングエコの塗り重ね以外は自己責任的な姿勢と感じますので、違う塗料を塗るときはどこか目立たないところで試し塗をしてから判断されることをお勧めします。

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